車の買取と査定の基本

車を持つことは、その車に対する所有権を持つことです。非常に当たり前のことですが、そうであるからこそ、そのものを売ったり、あるいは、変更することも、自由に行えます。これは、民法上の物権で規定されていることです。しかも、債権とは異なり、絶対的権利とも言われています。実際、こういう所有権は、車の買取にも関わってきます。仮に買取業者に売却しようとする車が、人からの借りものなのであれば、許されることはないでしょう。もっとも、物権にもいろいろなケースで、そういう借り物などが売られても、認められるケースがあります。しかし、基本的に、自分が所有しているものを売却する権利は、所有者に帰属します。これを鑑みれば、車の買取は、所有権の移転であり、所有権を売却することであります。
査定とは、その売却額を決めるものでもあり、そのため、専門の査定士が査定を行うとも言えるでしょう。また、中古車買取業者は、所有権を買い取り、再び売却をすることで利益を得ようとします。すなわち、中古車買取業者は、転売目的で、車の買取を行っていることになります。このため、市場で人気のある車、あるいは、貴重な車、さらには、業者自体で力を入れたい車に関し、高価な査定額を付ける傾向もあるようです。さらに、中古車買取業者は、古物を販売する業者とも見なされます。中古書籍やCDおよびDVDの販売業者と同じであり、リサイクル事業とも、同様なものです。したがって、中古車買取業者を始めるのであれば、古物営業法に従う必要があります。店舗の所在地を管轄する警察署に届け出をし、営業許可を受けるようになります。
仮にそれが認められなければ、営業ができないことは言うまでもないかもしれません。なお、車の買取が所有権移転であることは、すでにお話していますが、中古車買取業者においては、権利移譲証明書というものを用意しています。これは、該当の車の所有権を業者に移したことを証明するもので、売却する側としては、通常、サインをするのみとなっています。契約は口約束でも成立することは、民法でも認めていることのようですが、日本では、契約書を作成する商習慣があるようです。車の買取時の権利移転証明書も、その延長のようでもあります。また、車の買取時には、車検証や自賠責保険証などの必要書類もあります。住民票などの公的書類も、その中に含まれています。